待つ
『待つ』 太宰治
「けれども私は……やっぱり誰かを待っているのです。」
正体の分からぬ誰かを、私は今日も省線の駅でただ待ち続ける。
冷たいベンチに腰をかけて、通り過ぎる人々を眺めている。
宙に浮いてまとまらない独白がざわざわと胸を騒がせる、
太宰治の傑作掌編。
〇「大人の朗読」シリーズ〇
優しいだけではすまされない、心地いいだけでは終わらない。
大人だから理解できる、心に引っかかる名作文学を、上質な朗読とイラストでお届けします。
胸に迫るストーリーを、耳と目で味わってください。
朗読/町村千絵(株式会社ミュージックバンカー所属声優)
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